いきなりですが、質問です。 売却を検討されている売主様が最も関心が高いことはいったいなんでしょうか? そうです。 「いくらで売れるのか」ということですね。 これは「期待半分」、「不安半分」というのが実際のところかもしれません。 お金に関わることであり、不動産という高額なものである以上、やはり、売主様の関心は「売却価格」であり、 当然ながら購入希望者も同じく気に入った物件を最終的に「いくらで購入できるのか」と一度は考えるはずです。 さて、その「売却開始価格」ですが、それを決定するのは誰なのか?という問題です。 @ やっぱり不動産会社の査定額 A いやいや、売主様の希望額 B まさかの@とAの間で決着 不動産会社としては当然ながら「売却が見込まれるであろうという意味合いで提示をしている@の「査定額」で 売却の開始価格としたいところですが、売主様に快く承諾を頂けるケースというのは決して多くありません。 実際にはA「いやいや、売主様の希望額」というケースが目立ちます。 売主様は今までお住まいになられてきた大事なご自宅ですから「愛着」「思い出」などがあるため 「売れるであろう価格(査定額)」とは別に「自宅に対しての思い入れ価格」というものがあります。 また、「自宅に対しての思い入れ価格」といった心理面以外に、経済事情による「売却希望価格」というのも存在します。 これは早い話、「○○○○万円で売りたい」「ローンの残債が××××万円だから■■■■万円以上で 売らなければならない」といった現実的な問題が関係しています。 結果、「売却開始価格はだれが決めるのか?」という問題はあくまで所有者である売主様が決められることと言えます。 では、その「査定額」で本当に売れるのか?という問題について。 最後までお読みいただければご理解を頂けますが、先に結論を言います。 査定額では売れません。 厳密には「査定額ズバリで売れることはほぼない」と言えます。 まず「査定額」というのは不動産会社が「このくらいで売られたらどうですか?」と提案している額に過ぎません。 提案額です。だから「査定額に惑わされてはいけません」 ここで重要なポイントをお伝えします。 「査定額が一番高いからその会社に依頼する」というのは間違った不動産会社の選び方です。 なぜ、間違っていると言えるのか? 簡単です。不動産会社があなたのお家を「買い取ってくれる」わけではありません。 不動産会社はどこも売却の依頼が欲しいので、中には相場の額よりも売主様が喜ぶであろう高額な査定をし、 依頼をもらうという非常に単純で古臭い営業手法を使うところがあります。 こう聞くと『そんな子供だましにひっかからないよ』と思われるかもしれませんが、 やはり褒められたり、高い価格を言われると誰でもうれしいものです。 結果、相場より高く売りに出してはみたけど当然売れず、値下げしている物件が非常に多いですね。 では、こういう場合はどうしたら良いのでしょうか?@ Aという会社が一番高い査定だが担当者がイマイチ 売却を検討される際に売主様によっては数社に「査定」を依頼される方がおられます。 もちろん、そのこと自体は悪くありませんが、コラム1「不動産会社の選び方」で 触れさせていただいた「レインズ」といったシステムがあること、上記の様な不動産会社の営業手法が 存在することからも「不動産会社によって高値で売れる(売却価格に差が生じる)」ということは 期待したいところですが実際には起こり得ないということがご理解を頂けるはずです。 それに、購入希望者は類似の条件、近隣エリアの物件をネットで情報収集していますから、 ある程度、その物件が高いのか、相場相応なのかは判断をつけられます。 必然的に「相場より高く売る」というのは「買い手が納得できる何らかのプラス要因がなければ難しい」といえます。 では、以下のようにシンプルに4つのケースに分けると売却の可能性はどれだけあるものでしょうか? @相場より安い(相場価格の1〜2割安) A査定額(売却見込み価格) B相場より1割程度の高値 C相場と乖離した高値 答え。 @人気エリアの物件ならば、売却開始後すぐに売れます。売却を開始して2週間以内ということも期待ができます。 それ以外のエリアでもやはり「安い」ということは非常に関心を集めますので1ヶ月以内に売れる 見込みが大きいです。 「少しでも安く良い物を買いたい」と購入希望者は毎日、良いものがないかをチェックしていますから 「相場より安い」という物件には非常に敏感です。 ただし、「急いで売却しなければならない」等、何らかの事情がない限り、普通に考えれば 「売主様が安く売る」ということは 考えられにくいため、実際に「安い」と感じられる物件を購入希望者が見学に行かれたり、条件や内容を確認すると 「それなりの理由・根拠」というものがある場合がほとんどです。 A「査定額」というのは「不動産会社が売れると見込んだ価格」ですね。 でも、査定額が不動産会社によって違うということが多々あります。 この時点で答えが自然と出てしまっていますね。 プロの不動産会社が査定したけれども、各社価格が異なるというのは「査定額」が「必ずしも売れる価格ではない」 ということを如実に伝えています。おかしな話です(笑) ただし、全く同額ということもあり得ませんから各社の査定額の誤差が5%程度であれば まずまず相応な価格と言えると思われます。 また、ここで重要なポイントは「査定額」=「販売力」ではないということです。 不動産会社によっては「高値で査定報告して後々、値下げをする」という手法を使う会社もあります。 ネットやチラシをご覧になられているとお気付きの方もおられるかもしれませんが 随時、「値下げ」をしている物件が非常に多いものです。 「売れるであろう価格」で売却活動を開始しても、不動産は時価であり、その時々の 競合物件の数や 購入希望者の数というものは流動的なもののため絶対に売れるということが断定できないものなのです。 だから、「査定額で売れるのか?」という問題については「時間はかかってもある程度、売却が期待できる」 といったニュアンスのものと言えます。 B「相場より1割程度の高値」での売却について。 マンションの場合はある程度、広さ(専有面積)、階数、向きによって相場というものが 把握がしやすい性質のものですので、相場より高く売るというのはよほど希少価値のある マンション(やお部屋)を除いては難しいといえます。 一方、戸建てについてはマンション以上に「同じものがない」種類のものです。 立地、建物の仕様、設備、メンテナンス、構造とどれひとつとして同じものが他には存在しません。 どちらかというと、性質上、「購入希望者に気に入ってもらえたら」、 築年数や敷地の広さといった 単純な数字による金額以上に価値を見出してもらえることで高い価格で売却できることも可能な ケースがあります。 それでも、まず、購入希望者は物件を探す経緯の中で、敷地の広さ、場所、築年数、価格といった 「決まった数字」だけをみて判断し、その上で見学の可否を検討しますので「相場より高い」と 「本当の価値」を見ていただくまでに至らず、「売れ残る」といった残念なケースも多々あります。 「見学者なくして申し込み、契約もなし」ですから残念ながら「価格」が高いとよほど魅力的な何かがないと 売却は難しくなります。 C「相場と乖離した高値」となると、間違いなく問い合わせもなく、当然、見学希望者も現れません。 売却を検討されている方からはこうした物件が近くに出ていると、ご相談の際に 「あの物件が○○万円だからうちもあの価格程度で売れるのでは」といった期待感も含めた上で ご相談を頂くことがあります。 が、現実は売主様の期待額よりも購入希望者の希望額が強いというのが現在の不動産市場の一般的な関係です。 さて、最初の方でも触れた「査定額に惑わされてはいけない」について再度、注意事項です。 最初、高値で売却を開始後、徐々に値下げをしていくのが最も高く売れるとお考えの方がおられるとすれば、 それは間違いです。 そうした手法では結局、購入希望者は「この物件は待てば下がる」と思って、さらに待ちます。 徐々に価格を下げる売却方法では結局、「相場よりも安く売却」という結果や売却に時間を必要以上に 要してしまったという結果となりますので注意が必要です。 相場というものは誰かが決め勝手に決められるわけでもなく、「売りたい・買いたい」といったニーズが成立し、 取引が成されることで自然と形成されるものである以上、査定額はあくまで参考程度にして最終的には 売主様ご自身がご検討の結果、売り出し価格と業者を選択しなければなりません。 極端な話ですが、「査定」といった形式のものでなくても不動産会社(というより担当者)と 話をすればどの業者が良いのか、自分にとって利益をもたらしてくれそうかは判断を付けられると思います。 |
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